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2009.06.01
Vol.17 〈 読書を人生・仕事に活かす 〉
 

 私の師匠の師匠、タビオ鰍フ越智会長の本を読まして頂きました・・・

越智会長とはちょうど10年前、関西素行会と云う勉強会でご縁を頂きました。

 その越智会長が致知出版社から本を出されたと云う事で、すぐ買い求めました。

私の様な無学な若輩者が僭越ながら・・・又、古典と云うものの本質を知らないど素人の私でもとてもわかりやすく、解釈付き漢詩五十撰を越智会長の実体験を交えての校正になっており、ついつい先を読みたくなり越智ワールドに引き込まれて行きました。

本当に【読書】したくなる本です。本をどのように読むか・・・

『行いて余力あらば、即ち以て文を学ぶ』 (孔子)

古典は読む方のその時の年齢とか立場とか精神状態によって受け取り方も違います。

二千五百年も前の教えが今に残っているのは真理に近いからだと思います。理解を何も画一化する必要はなく、分からないところは今の自分に必要ないからだと思えばいいのです。

難解だと身構えて読めば続かないし楽しく親しみが無いような本は役に立たないものです。

 この本の第一章 立志 @将に東遊せんとして壁に題す。と、ありました。

男児が志をたてて郷里を出たからには、志を成就しない限り郷里には帰るつもりはない。

自分の骨を埋めるのは郷里の墓とは限らない。人の世にはどこへ行っても骨を埋める墓所があるではないか・・・と解釈されていました。

人生における一大事は生涯に渡る志をしっかり立てる事。

『人生劈頭 ( へきとう ) 一個のことあり、立志これなり』

(人生で一番最初にしなければならぬことが一つある。志をたてることだ)

『志立たざれば、舵なき舟、轡 ( くつわ ) 無きの馬の如し』

(理想、志がなければどこに行くかわからなくなる)で、高い学歴を持ちながら、生きていくのが精一杯で、その場その時に必要な知識、手法に翻弄されて折角の人生を無為徒食に過ごす結果となってしまいます。元々「学」とは人生の理想、志について学ぶこと、語源集では「まねる。まねぶ。まなぶ。」となっています。その理想、志を達成するための知識手段を「芸」と云います。知識は大切ですが人間の道具に過ぎないそうです。

ところで、私が10年前に初めて越智会長(当時社長)の講演を聴いた時のことです・・・

師匠から聞かされ、大変楽しみにしていた講演会でしたので一番前の席を陣取っていました。

会が始まるや否や、会長が私を指名し・・・

会長『あんた、名前なんて云うんや?』と・・・

田中「滋賀から来ました田中啓示と申します。」と応えると

会長『ほほっ〜ええ名前やなぁ〜』と、少し間があって

会長『ところで名前の由来は?』

『長男か?』

『ご両親は健在か?』と・・・矢継ぎ早に質問され、つい口ごもってしまいました・・・そう云われればこのかた 36 年(当時)父親が名付けの神さんで観てもらって付けてくれたとは聞いていましたが、正式に両親に聞いた事はありませんでした・・・(ちなみにその日の晩遅くに親父に電話しすぐに確認しました。)

会長『どんな想いであんたの名前を付けたか聞いとかなあかん・・・』

両親の想い、愛情を越智会長に諭されました。

 

その次に

会長『田中はん、胸に手あててみぃ〜』と・・・

『そこはなんや?』

田中「心臓です!」

会長『音聞こえるか?』

田中「はいっ」

会長『それは何の音や?』

田中「心臓の音です!」と、応えると・・・

会長『田中はん、それは墓場に向かう足音や!常に鼓動として聞こえてくるんや・・・』

最初は何をおっしゃってるんやろうと思っておりましたが・・・

 

【死生観】を教えてくれていたのです。

 

人生は儚 ( はかな ) さと無情。限りある命を噛みしめながら懸命に努力して人生を全うする。

と、云う事を教えて頂きました。

 

男児として、この生かして頂いている我が身!志をしっかり立て・・・

命ある限り自分の天命に忠実にゆっくりコツコツと歩を進めて参りたいと

考えております。


   【 読書】したいなぁ〜って!氣にさせてくれる本です!!

 

 
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